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恋文俳句入選者発表
6月15日に締め切りました恋文俳句は、合計3362句もの俳句が集まりました。 厳正な審査の結果、次の俳句が入選いたしました。
□ 「響灘 風車の風が 恋をよぶ」 遠賀郡 伊藤晴夫 さん (審査員のコメント) 若松風力発電の風景を詠ったもの。響灘の悠久性と恋を呼ぶ風の動きは壮観で心を打った。
□ 「わたり鳥 愛を育む 曽根ひがた」 北九州市 村田加代子さん (審査員のコメント) 干潟の大きな自然の中、愛を育む心の喜びと人間の賛歌をわたり鳥を通じて感じることができる。
□ 「知らんやろ トマトも美味いよ ボクの若松(まち)」 北九州市 上原颯馬 さん (審査員のコメント) 確かに若松のトマトはおいしい。それを「知らんやろ」とアピールするところが秀逸。
□ 「提灯山笠(ちょうちんやま) うなじに触るる 分厚き手」 北九州市 田中礼子 さん (審査員のコメント) 職人芸の結晶である提灯山笠のその職人の世界を改めて感じさせられた句。
□ 「痩身の 傘傾けし あやめかな」 北九州市 西田佳宏 さん (審査員のコメント) 絶滅の危機を乗り越えた戸畑のあやめ・・・そんな歴史のある中で、今年もまた凛とした美しさを放つあやめの姿に、まっすぐに生きる北九州人の心意気と重なりました。また作者が、昔恋した女性はあやめの花を思わせる美しい戸畑の人で、その女性が日傘を差して歩く姿が印象的だったのだろうか等、素敵なロマンを感じさせてくれます。
□ 「ひざ枕 祇園太鼓も 夢うつつ」 大分県 吉原正隆 さん (審査員のコメント) 外の小倉祇園の熱気とは対照的な二人の風景・・・その二つの対比に焦点を当てた事で、ほのぼのさをさらに感じることができます。北九州の躍動と癒しがみごとに表現されています。
□ 「見送られ 迎へられして 戸ノ上山(やま)眠る」 北九州市 石蔵啓三郎 さん (審査員のコメント) 戸ノ上山の大きな懐がこの方を迎え入れ送り出してくれたから、この方の今があるのですね。私が学生時代に北九州をあとにした気持ちが蘇ってきました。
□ 「あかね空 鉄の都の おらが町」 北九州市 石川藤孝 さん (審査員のコメント) 八幡製鉄所をはじめとする鉄関係の仕事が、やはり北九州を支えてきていたと思います。そこで働いている人が汗をかいた顔で見上げた空が赤くそまっていて、その方々の情熱(赤色)を感じることができます。
□ 「鉄の街 市民の愛で 蛍舞う」 遠賀郡 福田美佐子 さん (審査員のコメント) 公害で市民を苦しめた街を救ったのはまさしく市民の愛によるものだと思います。その愛で克服したことの証明を例えで美しい蛍としたことは市民と街の落ち着きを感じます。街の歴史と未来へ向けた願いがこめられた一句です。
□ 「日々仰(ひびあお)ぐ 皿倉山(さらくらやま)は 八幡富士(やはたふじ)」 北九州市 江本琴子 さん (審査員のコメント) 小生も皿倉山のふもとで育った者として八幡富士、それは象徴であり誇りでもあります。今でも毎日眺める皿倉は形こそ変わらないが四季の姿をはっきりとかもし出し、常に故郷で「デン」とかまえているところが大好きです。小生の気持ちを代弁してくださった一句と感じました。
□ 「冷めないで 2人の気持ちと 焼うどん」 北九州市 柴田典子 さん (審査員のコメント) 誰もがニッコリするような句ですね。
□ 「ふりかえり 黒髪映(くろかみは)ゆる 小倉織」 久留米市 江崎大生 さん (審査員のコメント) 小倉織を纏う女性の姿が情景豊かに描かれています。
以上、12句が入選となりました。 応募していただいた皆様ありがとうございました。
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