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リサイクルに関しての関心、高まる

国連環境開発会議から「国連地方自治体表彰」を受けたりするなど、環境最先端都市を目指す北九州市では、1993年7月7日から、缶、瓶の分別収集を始めた。地球環境に影響を少しでも緩和しようという気運が高まってきた時、北九州JCは、家庭や職場でリサイクルする循環的で地球にやさしい生き方を、1993年の40周年事業の中でアピールするプラン「ザ・リサイクル」を立てた。

空き缶のリサイクル運動

事業の主旨は、空缶のリサイクル運動を集合彫刻のイベントを併せて実施して、リサイクルが資源循環型社会を築いていく上で重要な課題であること、そして過去の厳しい公害を克服し環境にやさしい街としての北九州市のイメージを市民と一体となって高めることである。空き缶集めに活躍した子供たちによる「ワークショップ(空き缶工作教室)」と「アートイベント」を開催。この「アートイベント」と連動させて第2回国際鉄鋼彫刻シンポジウムを催すこととなった。

約1万人の市民で100万個の空き缶を回収

「ザ・リサイクル」は、1993年7月10日と11日の2日間、八幡東区ベイスクエアで開かれた。空き缶のリサイクル運動は、100万市民1人1個、計100万個を目標実施。市民約1万人の参加によって集めることができた。

楽しみながら、空き缶が資源になることを学習

イベントプログラムとしての2本の柱は「ワークショップ」と「アートイベント」である。「ワークショップ」では、空き缶によって制作する楽器コーナー、立体コーナー、壁画を制作するコーナーに分かれて、工作教室が開かれた。

第2回国際鉄鋼彫刻シンポジウムと連動

空き缶集合彫刻「ガリバー」の完成

空き缶集合彫刻「ガリバー」の完成

「アートイベント」では、集合彫刻パート、壁画のコーナー、第2回国際鉄鋼彫刻シンポジウムにパートを分けて実施した。第2回国際鉄鋼彫刻シンポジウムでは、集合彫刻のアイディア募集から制作実験、模型制作を経ての「ガリバー」の制作、市民手づくりの鉄鋼彫刻コンクール、そして3人の造型作家による鉄鋼彫刻の公開制作など、「リサイクル」をキーワードに、高度な産業技術と高い芸術性が融合するイベントとして全国に発信した。

鉄鋼彫刻シンポジウムからCCA北九州へ

最初の鉄鋼彫刻シンポジウムは1987年、現在のCCA北九州のディレクターである中村信夫氏を招いてアートセミナーを開いたことから始まった。中村氏にイベントを相談したのはJCOBである第28代小嶋理事長であった。また、イベントを手伝った人々の中に八幡を中心とするJCOBの顔が多くあった。その後、中村氏のプランによって、毎年全国から生徒を募集し、トップクラスの現代アーティストを招聘してのアートスクールが開かれた。その運営の為の組織がCASK(北九州現代美術セミナー実行委員会)であり、そして現在のCCA北九州に発展したのである。